AIは勝つ。 「社長直轄! 商品リニューアルの着眼点」 第105話

社長から「コザキさん、うちもコレを導入しようかと思っていて・・・」と、お客さまのキャッシュレス化に対応してスマホアプリ決済サービスのご相談です。この会社ではBtoCにおいて、今までは高齢のお客さまが中心でしたが、自治体の取り組みで街が若返り、共働き世代の需要が伸びてきています。ゆえに企業内での対応が必至となります。今年に入って、メディアの報道を見ていますと、ますます様々な商品サービスがインターネットとつながるようになっていますし、軽々と新しいコンテンツを提供し、自然の流れのなかで日々商品サービスがリニューアルしています。

 

興味深いのが「イチゴ」のリニューアルです。品種改良によって「ヘタを取らなくて良いイチゴ」が誕生したそうです。イチゴの蔓にヘタが着いたままで収穫できるので、加工する際、工場でヘタ取りをしなくて良い、というコンセプト。イチゴのヘタ取り・・・これは、なかなか苦労の多い作業です。わたくし自身が約20年前に前職で身を以て体験しているので、実感しています。

クリスマスシーズンの工場応援にでのこと。国産イチゴが間に合わず、スポット的にアメリカ産のイチゴを使うことになりました。埃などを落とす空気のシャワーをくぐったイチゴたちが、緑色のプラスティックバスケットに入って次から次へと目の前に運ばれてきました。一年でいちばんの稼ぎ時、スタッフと二人で朝から晩までヘタ取りです。この体験は強烈でした。菓子作りの工程はほとんど機械化されていましたので意外でした。デリケートなイチゴゆえに「ヘタ取りだけは、人の手でやらないとダメなんだ」と皮膚感覚として学びました。

 

話は変わって、わたくしの住む町から本屋さんがなくなって1ヶ月です。東京23区内に住んでおりますが、引っ越してきた20年前には商店街に小さな書店が3つありました。いま現在、仕事柄、雑誌の多くを購読しておりますが、ついに楽天マガジンに登録し「読み放題」を活用することにしました。20代の方から教えていただきました。

一方、手と脳はつながっているので、現物を手にとって五感で見ること読むこと、紙に触れることも非常に重要になります。ゆえに、リアルな雑誌や書籍は品揃えの良い大型書店でまとめ買いをして、自宅に配送してもらう、または隣町の本屋から定期的に配達してもらうかもしれません。書店がなくなっても「読み放題」を活用して雑誌や本を読み、リアル店舗でお気に入りの本を再度購入し、結果的にはわたくしたち生活者は「読んだり」「書いたり」する時間が減ることはないと想像しています。

 

キャッシュレス化、品種改良、小売店の消滅・・・生活の仕組みが変わるとわたしたちの購買行動は一瞬にして変化します。暮らしはつながり循環し包括的です。ひとつの「変化」が「行動の変化」を生み、それにより次のアクションが変わってゆきます。しかし、だからといってその傾向が「識者による予測」通りかと言えばそれほど単純な話ではありません。

なぜなら人は「わがまま」で「矛盾」した心を持つ生きものだからです。人間心理だけではなく、コントロールできないモノのひとつに「自然」があります。宇宙の出来事や地球規模での災害などの前で、わたくしたちは成す術もありません。情報技術の発展は華々しく、過去の成功体験と身につけた知識や技能が、おそろしいほどに陳腐化しています。と同時に、予測不可能な外的環境にも晒されています。

 

さらに、人工知能という道具が生活にスッと入ってきて暮らしの精度が高まっています。今年になって天気予報がよく当たるようになりましたし、最先端の病院に行けばエラーのない治療をしてもらえるようになっています。暮らしの精度が高まることで、わたくしたちにとって大切なこと、やりたいことにフォーカスすることができます。非効率的で理不尽な「作業」が軽減することで、余裕が生まれます。

わたしたちは今、産業構造の大きな変わり目を体験しているところです。が、次に見る景色を予測することができません。実務の現場では、まったく意図していなかった経営者も生活者の暮らしに合わせて「変わって」います。生活者の変化に対応できなければ、それは企業の「淘汰」に直結を意味しています。

 

わたしたちは「変わらない」軸に憧れながら、新しいものを求め、新しいものに合わせ、柔軟に変わり続けています。弊社の「商品リニューアル戦略」は、こうした人間心理と行動にそって体系化されています。どんな時代にも通用し結果を出してゆくことができる「3スタンス理論」です。具体的には「変化対応」「変化創造」そして「不変的普遍」の三つの考え方をベースにした仕組みをお伝えしています。

 

・お客さんの変化に合わせて商品リニューアルし、より豊かになっていただくこと

・お客さんが待ち望んでいる「変化」を仕掛けリニューアルし喜んでいただくこと

・リニューアルしながらお客さんが愛してやまない本質を磨き上げ提供し続ける

 

この3つの考え方を体系化させています。企業の絶えることのない商品リニューアルの姿勢と実践によって、御社のお客さまが幸福になることを目指しています。マーケティングもブランディングも商品リニューアル戦略におけるひとつのツールであり「道具箱」と考えています。マーケティングという道具箱にはさらに細かい道具が入っています。ブランディングやプロモーションも同じです。将来的には「AI」という道具箱も手に入れることになるでしょう。

 

肝に銘じなくてはならないのは、経営において大事なのは「道具」ではない、ということです。むしろ、こうした道具がなくたって、どうにでもなる。わたくしは四半世紀の経験を通して本気で思っています。時代の転換点に立っている今だからこそ切に確信し、本気でお伝えしています。これらの道具がなくてもお客さんを幸せにできる「何か」を御社が持っているか、ということが問われているのです。

 

人間にはあってAIにはないものが一つだけあります。それは「動機」、「モチベーション」です。人工知能には「モチベーション」がないので「自らを奮い立たせて何かを信じてアクションする」というスイッチがありません。御社の商品サービスを愛してくれている、待っていてくれている「お客さんの幸福のために」何かをするといった自発的な動きができないのです。だからこそAIは勝つ。さいごにAIは、勝つ。このAIとは「人工知能」ではありません。

 

「愛」です。

ベタで泥臭い言い方かもしれません。しかし時代の変わり目だからこそ、どうしてもお伝えしなければならないのです。たくさんの道具を有していても「何のために」のモチベーションがなければ人工知能にとって代わられてしまいます。なぜなら、人間よりも精度が高いからです。人工知能は間違わないからです。「何のために在るのか、やるのか」があってこその企業、あってこその経営、商品サービスです。

 

会社への情熱、お客さんへの情熱、そして商品サービスへの情熱と絶対愛。この基盤があるかないか。わたくしの商品リニューアル戦略は御社が自力では見つけることのできない、土の中に眠っている「根っこ」を掘り起こすことから始めます。御社の魅力、強み、持ち味、得意とするところは何か。事業の背景となる「動機」「モチベーション」が必ずあるはずです。その根っここそが、AI時代をのびやかに生き抜く生命線です。おもしろい時代を迎えようとしています。御社の魅力を存分に発揮させて、次代をしなやかに駆け抜けてゆきましょう!