暗闇のなかに発光する石となる 「社長直轄! 商品リニューアルの着眼点」 第112話

「コンサルタントを使う」を選んだ社長というのはすでに「変わろう」と肚を決めておられます。ゆえに“新しいステージ”への門をご自身の手でひらき走り出していることを意味しています。

 

新年度おめでとうございます。

クライアント企業の入社式に参加させていただきました。創業して初めての入社式で新入社員のご家族を招いたオープンで心温まる式でした。まだ社長とふたりで打ち合わせをしていた頃、オフィスはいつも静まり返っていました。しかし、昨日は春の陽気そのもの。人が集い、笑顔にあふれ、若い方の希望に満ちていました。

 

今までは社長が手を動かしていた社内イベントでした。しかしこの入社式よりスタッフが企画し準備しています。スタッフの作成したプレゼンテーションに合わせて、社長が発表されました。今までは発表資料もこまごまと社長が手を動かしていました。今回はプレゼンテーションに集中され、落ち着いたプレゼンテーションとなりました。

 

社長のご発表で印象的なフレーズがありました。「経営理念」について話をされていました。一通り説明され、すこしの間があって、「そもそもこの仕事をはじめたきっかけは・・・〇〇が大好きだったからです」とおっしゃいました。〇〇は自社商品サービスを指しています。〇〇が大好き、と言葉にされた瞬間、瞳がキラキラッと輝きました。言葉では表現できない「熱」を発しておられました。

 

残念ながら、この内から溢れるエネルギーはご自身では見ることができません。社長は、ご自身が「光」を発していることに気づいてはいません。しかし、同じ空間にいるわたしたちには伝わります。わたしたちは社長から発する内的エネルギー、空気感、ニュアンスを対面しているリアルな空間で無意識に受け取りました。わたしたちは静まりかえり、一人一人が社長の言葉に引き込まれていました。

 

「経営理念」を自分の言葉で表現するのは勇気がいるし、非常にむずかしいです。したがって、どうしても教科書的な言葉で綴られています。どこの企業も似たり寄ったりです。だからこそ、社長の実感、ほんとうの気持ち、魂の言葉こそが人を動かし、人を変えてゆきます。社長の言葉によって、スタッフと新入社員の表情がパッと変わりました。空気が変わりました。社長の思考が、発する言葉、発するエネルギーが、人の何かを変え、会社を伸ばしてゆくとあらためて確信しました。

 

経営者のピュアな「思考」は昇華されます。オリジナルの「言葉」となって表現されます。言葉は「人」と「人」、「暮らし」とつながってゆきます。社長の言葉は、社長の生き方そのものです。経営者とはアート、作品なのです。芸術を生みだすことと同じように、思考と言葉を育て、それにより事業を大きく育ててゆくのが経営者です。

 

どんな企業でも、コンサルティングの現場では常に課題、問題が山積しています。企業内外において問題が勃発して、批判が高まる、難問が生まれるような状況に身を置くことは当たり前のことです。リアルな現場は「醜」や「濁」のるつぼ、混沌です。

 

こうした問題を経営者が認識し「変わろう」と思って、例えばわたくしのセミナーに参加してくださいます。わたくしどもにコンサルティングをご依頼されます。商品リニューアル専門のコンサルタントという「第三者視点」を上手に取り入れることで、自社の“眠っている力”、弊社では「秘宝」と呼んでおりますが、に気づき変化に対応し、発見した秘宝を磨き上げ、果たして事業を伸ばしてゆかれます。

 

一方、商品リニューアルが必要だとわかっていても異なる方向へ進んでしまう場合があります。このままでは長期的には下降とわかっていながら「現状維持」「変わらない」を選択してしまうケースです。

 

そうした企業には共通点があります。今までにかかった取引コストを捨て去ることができないのです。軽い言葉で表現すれば「もったいない」という意識です。今までの時間や資金、関係者間の取引や交渉などのコストの大きさと、直近の利益を比較し、今までのかけてきたコストを水の泡にすることが恐怖なのです。矛盾をはらんだ不条理経営です。大手企業になればなるほど取引コストが大きくなるので、先送り傾向が強まります。

 

 

前出の会社では、お客様の変化を研究しながらリニューアルを繰り返し自社更新してきました。最もむずかしい「捨てる」も経験してきました。問題や批判が生じた時には火の粉が小さなうちに改善しリニューアル。保守的意見を受け容れつつ、コンサルタントを上手に活用し、一手一手対応されます。そして、顧客の欲求に素直な姿勢でのぞみ、お客様によって社長は磨かれました。お客様によってご自身の眠っている力、自社の秘宝を引き出すことに成功しています。

 

帰り道、夜桜が風に舞っていました。

わたくしどもコンサルタントの存在意義は何か。

影響し合っているが存在意義などない。お役に立てるようにという一心と商品リニューアルの道一途。しかしこの小さな意識世界には何の意味もない。己の想像をはるかに超えた世界があるのみ。

 

人はひとによって磨かれます。

人によって商品サービスが生まれ変わり

人によって事業が、会社が変わります。

 

その「人」とは経営者です。経営者によって会社が変わる、商品サービスが変わる。その経営者がだれと出会い、何を大切にし、何を嫌悪するのか。どんな考え方でどんな言葉を発するのか。どんな笑顔でどんな態度で生きるのか。経営者という存在はアートつまり「作品」です。経営者のすべてが事業の「美醜」を決定づけます。そして、常識的に、美しものに人々は歓喜しお金を出します。

 

新しい時代も、動きながら、伝えながら、御社に眠るまだ発見されていない“秘宝”を引き出すお手伝いをしてまいります。御社の商品サービスに眠る“秘宝”を見つけ出し磨き上げることがわたくしの商品リニューアルの原点です。時代の夜明け、次のステージに胸がときめいています。