“さだめ ”とは、神様ではなく経営者が「定める」こと 「社長直轄! 商品リニューアルの着眼点」 第151話

あけましておめでとうございます。2020年が幕をあけました。清々しいエネルギーをいっぱいに吸い込んで、士気を高めておられることでしょう。世の中が大きく変わり、これからさらに激化していきます。進むべき方向を照らす“羅針盤”として意味のあるコラムとなるよう、提言してまいります。

 

昨年末、暮れも押し詰まる30日、急遽スポットコンサルティングのご依頼がありました。自社の進むべき方向性とプロダクトの企画についてご不安があり早急に相談したい、と。メディアから出される未来予測の情報に触れ、思考の整理をされたいということでした。

 

たしかに、時代が大きく変化している時、未来予測は非常にむずかしいものです。たとえば、2020年の予測に関して過去の資料を検証してみましょう。手元には日経BP社発行の「日経ビジネス 総力特集 徹底予測2019」というムック本があります。2018年1218日に発行されていますが、今、無視できない大きな潮流となっている「SDGs」関連のキーワードは出てきてはいません。1年前には、ひとりの少女の出現を予測できることはできませんでした。国内に関して言えば、2019年の自然災害の多発も予測されてはいません。

 

過去の歴史が証明しているように、ある人物の出現によって、あるいは、地球の気象や地象によって、わたくしたちの暮らしは大きく変わります。こうした予測不可能な出来事と、テクノロジーの大きな変化をクロスさせながら、事業を逆算するプロセスにおいて、ご相談者のように、突如ホワイトアウトのような状況に陥ることがよくあります。このような時には「自社は何によって成り立っているか」という一点にフォーカスして思考すると良いでしょう。

 

未来予測はいったん脇に置き、まず「自社は何によって成り立っているのか? 」という問いを立ててください。会社は「人」なり、という考え方であれば、人=「社員」でしょうか。それとも、「経営者」によって成り立っているのでしょうか。あるいは、「株主」によって成り立っているのでしょうか? もちろん「正解」を求めてはいません。お聞きしたいのは、社長であるあなたの、2020年の“原則”を問うているのです。

 

かつて、ある経営者様が、顔面蒼白で駆け込んでいらしたことがありました。「セ、センセイ、、、うちは、今メーカーとして最低の状態になってしまいました、、、〇〇〇機の部品が、突然故障し、お客様のオーダーに応えられなくなってしまい・・・」と。お聞きすれば、創業してから初めての出来事で、部品調達ができない、できても技術者の人手不足で瞬時修理対応がムリな状況に陥っている、ということです。

 

この事態になって初めて、「自社は何によって成り立っているか」を体感したゆえ、社長の顔から血の気が引いてしまったのです。胸が奥がギュッと痛くなる、痛くなるだけでは済まない苦境です。

 

会社はお客様が商品サービスを買ってくださることで成り立っています。会社は「商品サービス」そのものであり、会社を支配しているのは「お客様」です。これは、小学生でもわかる、シンブルな真理です。ここに難しいロジックはありません。

 

経営者はこのシンプルな原則を理解しています。この社長も然り。しかし、それは所詮、頭でわかっているだけなのです。お客様がいる喜び。そして、その怖さと恐ろしさ。これは、お客様を失うリアルな事態になって初めて実感できることなのです。どうでしょうか。

 

生活者の暮らしは「大変化」のプロセスにあります。生活者自身が「考え方」や「価値観」、それらに基づく「行動パターン」「ライフスタイル」をリニューアルすることが求められています。生活者の方が先に、積極姿勢で変わろうとしています。むしろ変われないのは、わたくしたち中小企業経営者なのです。

 

未来予測は枝葉を省き、ざっくりとした大きな流れをつかむのがポイントです。2020年もまた、さまざまな気象や地象があり、突出した人物が出現することもあるでしょう。テクノロジーの進化と予測できない出来事の掛け算において、お客様にどんな価値を提供できるのか。お客様はどんな喜びを欲しがっているのか。反対に、どんなことを不満、不快、イヤだと思っているのか。そう想像することの方が、未来予測よりもずっと大事なことです。

 

変わることのできない会社が淘汰されてゆく時代です。それでも自社商品サービスを届ける意味は? 自社商品サービスがこの世界に存在する意味は? 年始、大いなる神々に頼むその前に、自社の商運は、自社で握りましょう。「使命」とは神が決めることではなく、経営者が定めることです。その上で 商品サービスのビジョンを描く、次のステップが待っています。