崖っぷちの成長戦略 「社長直轄! 商品リニューアルの着眼点」 第165話

世界の状況が刻々と変化してゆく、歴史的転換点に立ち会っています。ここから先の未来、“正解”を知るものは誰一人としていないでしょう。こうした崖に立たされてはじめて、「いつだって未来のことはわからないし正解もない」という真理に気づかされます。わたしたちは、そのことを忘れて生きていました。

 

時計の針を少し前に戻してみましょう。20191217日に発行された「日経ビジネス/総力特集」が手元にあります。2020年注目の10大トピックスとして、「・東京五輪・パラリンピック/・5Gサービスが商用化/・米国の大統領選挙/・米中対立の行方/・日韓関係は改善するのか/・混乱する大学入試制度/・東西ドイツ統一と30周年EU/・山手線新駅で新都心が誕生/・レジ袋有料化、プラごみ対策本格化/・激化する宇宙開発戦争」をあげて、解説しています。

 

いかに「平和」や「昨日と変わらない今日」を前提としていたか。そして、「変わらない」と思い込んでいたか。そんな思考停止状態に気づくことができただけでも、“儲けもの”、そう発想を転換してゆきましょう。もし、このコラムを読んでくださっているならば、きっとご無事でお過ごしになっているという証です。運の強さは天からのギフトであり、天から与えられた「成長のチャンス」ではないでしょうか。

 

トップリーダーを含めて、世界中の人が初めての経験に直面しています。失敗することも当たり前。不安や恐怖があるのも当たり前です。重くなる問題や悩みなどは、時間を決めて考えましょう。そして、時間の中だけで悩みましょう。起こってしまったことはもう、仕方のないことです。

 

商品戦略には、爽やかな心が必要不可欠です。ご自身の心をきりかえて、爽やかな心を取りもどしましょう。「心」の主人は、あなたご自身です。そのことを意識してください。心爽やかになれば、視点があがり、視野が広くなります。フワッと視界が広がって、“ヒラメキ”が生まれやすくなります。生まれた発想を行動につなげるエネルギーが生まれるのです。

 

心のチューニングが調いましたら、自社商品サービスのリニューアルにとりかかりましょう。いったんは壊れたマーケットです。前時代の“成功”はアーカイブ。時代が変わり、無意識のうちにお客様の行動が変わりました。行動が変わったことで、心も変容することが強いられています。たくさんの不安、不満が生まれています。そして、あたらしい「欲求」が生まれています。まさに、新潮流です。

 

基本に立ち返りましょう。商品リニューアルは、既存商品サービスの「核」を磨きあげることです。自社の核と、今を生きるお客様の幸福をつなげる赤い糸、この糸をたぐりよせリニューアルする。この基本的な方向性は、普遍です。商品リニユーアルとは、時代の変化に合わせて「変化を起こす」戦略であり、その時代時代の“ダイアモンド商品”をつくってゆく仕組みです。

 

心爽やかな状態で、自社の「核」を今一度、書き出しましょう。自社の強みは「商品力」だけではないでしょう。設備、財務、そして社員、スタッフの力も、自社の「核」を構成している大事な要素ではないでしょうか。当然、その逆も見えてくるはずです。「核」がない! という。

 

核がない、とおっしゃるならば想像してみてください。今まで平和であったがゆえに、安定していたがゆえにバラバラだった社内の体制。緊急非常事態を迎えた今、世界が危機に瀕している今、悔いても過去は戻りません。この危機にしっかりと対峙することで、社が一丸となります。商品リニューアルプロジェクトをつくってください。その際、プロジェクトのネーミングは非常に大切です。そして、自社の真の「核」を基盤に商品やサービスが、再び起ち上がる。自社の新たなフェーズが始動します。

 

まとめましょう。この逆境下には三つの道があります。

第一の道・・・同じところをぐるぐる回る道。ネガな出来事は変化を生まないのでいつの間にか出発点に戻ってしまう。

第二の道・・・悪いことが起きるとどんどん悪くなってゆく道。不安と恐怖心が増して、ますます挑戦することを怖れ、悪循環となる。

第三の道・・・逆境下成長の道。失敗、挫折、絶望、無力感からはじまって、人をより強くし、成長させる。自分(自社)が持っている一番強い力を引き出すことができる。

 

第三の道は、社長のマインド=心にかかっています。心が爽やかになったら、商品リニューアルの基本に立ち返って、今のお客様=わたしたち生活者の声に耳を傾けましょう。今、話題となり、動いている企業は商品リニューアルの仕組みが構築されている企業です。

アビガンの富士フィルム

第2のポスピタルにリニューアルしたホテル

手作りマスクキットを開発した生地メーカー

マスクを生産するシャネルなどハイブランド

おうちキャンプ提案するアウトドアブランド

マスク時代の目元メイクを提唱するコスメ

おうち向け桜盆栽を開発した花屋さんetc…

 

自社の潜在的な力を意図して引き出し、第三の道へ進みましょう。経営者とは「挑戦」という名の人生をゆく旅人です。エッジのきいたこの逆境に、今わたくしたちは立っています。エッジとは「崖っぷち」です。が、絶体絶命の崖の縁、という意味もあれば、見晴らしのよい高み、他にない最先端という意味もあります。心を爽やかにし、飛躍しましょう。崖っぷちの成長戦略、今この時がスタートです。