「思考様式の変化」で風穴をあける方法 「社長直轄! 商品リニューアルの着眼点」 第176話

緊急事態宣言が解かれたいま、少しずつ「おウチ」から飛び出して、街や観光地に足を伸ばしています。巣ごもり中であっても、テレビやネットニュース、SNSを見ることでその様子が伝わってきます。わが家でも、学校は来週から通常登校になります。

 

コンサルティングのオンライン面談でも、「やっと日常がようやく戻ってきた! 」と微笑まれる社長の笑顔が胸をつきます。もちろん、簡単に元の通りにもどるわけがないけど、と付け加えられます。素直なお気持ちだと思います。

 

そうこうしている間に、治療薬やワクチンの開発が進んでいると考えられます。歴史が証明しているように、第二波と第三波はやってくるでしょう。しかし、過去と異なる点は、テクノロジーという道具を使っている点です。商品サービスと同じように何もかもが、スピーディーになっています。

 

例えば「マスク」。マスクは衛生商品ではありません。いまや、わたくしたち生活者にとっては「ファッションアイテム」のひとつとなって、商品コンセプト丸ごとリニューアルしています。実際、東京・銀座のユニクロでは、「エアリズムマスク」を求めてたくさんの人が並び、手に入れた人たちはSNSで品定めの投稿をしています。

 

かつてマスクはドラッグストアで売っているものでした。駅の売店でも手に入れることができました。いまは、ワンピースやTシャツと同じように、ファッションアイテムとして販売され、だれしもがそれを「?」と思わないし、当たり前のこととして受け入れています。

 

コロナが流行っていて、感染したら治療薬がなくて、三密を避けること、マスクすることで感染のリスクを低減させることができて、手を洗い、マスクをして、巣ごもる行動を強いられた3ヶ月間。わたくしたちは、これを「新しい生活様式」と読んでいます。

 

商品リニューアルの哲学が根づいている会社は、この3ヶ月間に、商品リニューアルの準備をしてきました。淡々と自社が培ってきた知識、技術、伝統を核に、既存商品をリニューアルし、今、新しい商品を生み出しています。結果がどうであれ、テストマーケティングとして、意図して挑戦しています。

 

一方、「新商品開発なんてできるわけがないでしょ」と最初から呟かれている社長もいらっしゃいます。資金の手当てに成功した上で、「・・・とはいっても新商品なんてお金はかけられないよ」と、心を閉じてしまわれます。生活様式が変わったいま、商品サービスをそのままにしておくことは、自社にとって死活問題であるはずです。売上に直結し、お客様との接点となる商品サービスを、前の時代のままにしておくことのリスクは、冷静になれば非常に危険で、ネガティブな放置姿勢です。

 

自社の未来を大きく描くことが必要不可欠です。社長の「夢」「ビジョン」をしっかりと語る、言葉として明文化することが一番大切です。そして、社長はおっしゃるでしょう。「その未来が描けないからこまっているんだ! 」と。

 

そこで、ひとつだけ大切なポイントをお伝えします。

 

「新しい生活様式」の変化の先にある、もうひとつの変化に着眼してください。わたくしどもではその変化を「思考様式の変化」と呼んでいます。生活様式の変化と思考様式の変化、この2つの変化はご指導しているコンサルティングでずっと提唱してきた「変化」の着眼ポイントです。

 

一般的に「思考によって行動が変わる」と言われています。しかし、実は商品サービスにおいて真理は真逆です。行動によって思考が変化します。思考という言葉をわかりやすくお伝えすれば「意識」と言い換えることができます。生活様式が変化して、行動が変化して、習慣と常識が変化して、最後に「思考様式」が変化します。そして、思考様式が変化すると、そうそう元には戻らないのです。

 

コロナはわたくしたちの行動に大きなインパクトを与えました。巣ごもり生活を強いられたわたしたちは、いまや在宅勤務の良さを体感しています。最近の生活者アンケートでも実証されています。「もう満員電車はいや。合理的でない。会社に出勤したくない」「家族といっしょに過ごせることが心地よい」と感じる人が増えています。意識に変化が現れています。

 

こうした思考様式の変化は、目には見えません。ゆえに気がついた時には、人々の考え方が180度変化しています。伸びる会社の社長は、新商品開発と商品リニューアルはイコールだということをよく知っています。そして伝統と革新を意図して組み合わせる商品リニューアルを上手に使いこなしています。目に見えないものを見ることの価値と意味を知っています。

 

新しい生活様式の時代から、新しい思考様式の時代へ。商品リニューアル戦略こそが転ばぬ先の杖となって、自社の輝く未来を引き寄せるのです。