商売ほど素敵なショウはない 「社長直轄! 商品リニューアルの着眼点」 第179話

決める。覚悟する。覚悟し行動する。コンサルティングを導入するということは、覚悟を決めることに他なりません。一方、パンデミックを呪い、社員がサボっていると愚痴り、資金の手当てに青色吐息の社長。給付金を調達しホッとしたままの社長、停滞をコロナのせいにして行動を先送りしたままの社長・・・。

 

このような心理状況の経営者が、コンサルタントを頼るのは、自分ではやりたくない。やるのが怖い、責任をとりたくない。つまり、ご自身で何かを変えようという気持ちではなく、「誰かにやってもらおう」という依存心そのものです。自分の頭で考えることも、動くこともしないゆえ、結果が伴いません。そうした社長たちの口癖は「先生の言う通りにやったのに何も変わらなかった!」です。こうした縁はお互いに幸せとはかけ離れてゆきます。

 

いい商品サービス、いい素質をもっていたとしても、あなたご自身が行動しなければ何も変わりません。他人に依存する姿勢は商品やサービスを磨き上げるどころか腐らせてしまいます。それだけでなく、社内、社外、身内といった人間関係をも腐らせてゆきます。お客様は敏感に感じますから、離れてゆきます。そして、他人は何も言ってはくれません。耳に痛い言葉を都合よく解釈したりして、本人は気づかないまま、または気づかぬフリをして、年月が過ぎてゆきます。こうしたトップや会社、商品サービスを容赦なく淘汰してゆくのが、この疫病の流行です。

 

倒産すること、廃業することが恐ろしいのではなく、ジワリジワリと経営者の心を蝕んでゆくことが恐ろしいのです。景気の良い時代であれば、社長ごっこ、会社ごっこで、ふわっと夢や幸せを描けたのかもしれません。時代が急展開する中、覚悟と決断、そして実行するタイミングとチャンスをしっかりとつかむことが肝要です。

 

一方、気迫を持って動いている社長から、商品リニューアルの相談が増えています。ご相談内容には大きく3つの傾向があります。ひとつは、コロナ禍「在庫をなんとかしたい」といったケース。次に多いのがネーミング。3つ目が商品力の全体強化です。「従来商品だけではヤバイ。このタイミングを活用して〇〇を商品化して強くしたい」といったご相談です。

 

どの案件も、やることは概ね決まっています。ざっくりと申し上げれば、「ことば」のつくり直しです。商品コンセプト、名づけ、セールスコピーといった言葉づくりから、社内文書、販路拡大のための営業提案書などの文言をリニューアルすることです。

 

一般的には、言葉や文言は、お客様に「伝える」ためのツールだといわれます。しかし、わたくしどもでは、まったく異なる考え方をしています。「ことば」は「動線」であり「導線」です。ことばとは見込み客に買っていただくための動線をつくります。そして見込み客の心に「欲しい!」という本能の電流を走らせるための線と定義しています。

 

大事なことはゴールを描くことです。ゴールから逆算してステップをつくることです。では、何をゴールと定めるか。お客様に買っていただく。売上が欲しいのは当たり前です。たくさんの人が集う平和な時代であれば、それでなんとか買っていただけたのかもしれません。しかし、このパンデミックを経験したわたくしたちです。緊急事態宣言が解かれても「巣ごもり」が日常になっています。経済の失速を目の当たりにし、不安や恐怖に支配されつつある今、家計のスリム化が進んでいます。

 

いまや、リアル店舗で買い物をすることは「非日常」です。この不安な世界に、交通機関、人混みを駆け抜けてでも買いに行きたいお店がある、手にとって試してみたい商品がある、会いに行きたい店員さんや社員さんがいる。お客様を動かすほどの「ふつうではない異常なパワー」が、今商品サービスに求められています。真の意味で、お客さんが「命がけでも欲しい」と思ってくれる商品サービスが選ばれてゆくのです。

 

お客様は今、ギラギラと飢えています。「買い物って楽しかったよね」「店員さんとのおしゃべりは楽しかったよね」、そんな気持ちであふれています。御社の商品サービスが、お客さんのよろこびにつながっていくかどうか、真の価値が試されるときなのです。

 

ネットでは体験できないリアルな売り場の世界。リアル店舗の楽しさ、ワクワク感。商品に触れたときの手の感覚、ときめき。ソーシャルな距離をとっていても、マスクをしていても、店員さんの目の奥にある輝き、そこにいるという安心感や共鳴感。お客様の「買い物ってなんて楽しいんだろう!」そんな声を聞きたいから、わたしたちは商売しているのではないでしょうか。

 

これからの時代、お客様の人生のよろこびにつながる商品やサービスだけが選ばれ、ヒットしてゆきます。必需品や生活用品は、「安くて、まとめて、速い」ネット通販が主戦場となります。御社はどちらの未来に進んでゆきますか?

 

底を認めたときがスタートです。自社の商品サービス、社員、お客様、そしてご自身、この手札を基にして、これからどんどん手札を強くしていけば良いのです。これぞ商品リニューアルの真骨頂です。たった一歩の行動が、未来をつくります。今日の行動に命を吹き込み、曖昧だったこと、先送りしてきたことに決断してゆきましょう。