2018年ヒットを導く“ロングショット着眼”のポイント 「社長直轄! 商品リニューアルの着眼点」 第47話

2018年、新しい年がスタートしました。大晦日、NHKの「第68回 紅白歌合戦」を観ながら年を越しました。紅白歌合戦は1951年、昭和26年にスタートした国民的歌謡番組です。一年の終わりに総括として新旧さまざまなアーティストがパフォーマンス。その年にブームとなった事象を盛り込んだ企画や演出が多く見られます。

 

商品リニューアルの視点では、生活者の「昭和レトロ」や「リバイバルブーム」の流れを組みながら、歌謡コンテンツのリニューアルが印象的でした。昭和や平成でブレイクしたコンテンツを時代の空気感でリニューアルした斬新な演出もありました。一方、かつての曲やアーティスト性をそのままの状態で出し「懐かしのメロディー」となっていた演出もありました。この状況を眺めながら、「ブームというものは一瞬で消えてしまう」「昔のものも、そのまま出したらただ古臭いだけ」ということが、目に見えて伝わってくる非常にわかりやすいショーでした。

 

話はかわって、今、主婦など生活者の間で静かに注目されているのが「デニム」です。背景には、最新ファッショントレンドとして発信されるパリコレ等で「デニムファッション」が取り上げられていますし、ここ数年来、国内の「ヴィンテージデニム人気」も影響しています。興味深いのは、こうした「デニム」という商品そのものの注目度が土台となり、さらに生活者は「デニムのリメイク」を楽しんでいることです。

 

例えば30代に人気の主婦雑誌では「はけなくなったら再利用」「切る・結ぶ・貼るの簡単デニムリメイク」「リメイクデニム雑貨」(光文社 Mart2月号)というキャッチコピーが踊っています。30代ユーザーに強い人気SNSインスタグラムでも「♯デニムリメイク」で約12万件の写真投稿があります。ちなみに元旦の午前中現在、同SNSで「♯紅白歌合戦」が約7万件の写真投稿です。

 

かつて私たち日本人は「ブームに振り回されてビンテージをつくることができない文化」と言われていました。しかし、時代が変わってきました。例えば紅白歌合戦の歴史を見ると2010年代に入って、出演者や歌謡コンテンツにリバイバルの傾向が強まってきていることがわかります。昭和レトロ、アナログ商品の復権などもここ2年ほどのキーワードになっています。

 

一年の計である、商品計画から生産計画、販売計画まで具体的な策定については既に明文化され、ルーティンへと落とし込まれているでしょう。そうした土台の上で直感的にお考えになることは「2018年、自社商品が売れるのか、それとも・・・市場はどうなってやくのか」。皮膚感覚で「自社商品はいけるのか、いけないのか」を感じ考える時、最も大事なことは「ロングショット」の視点です。ブームという事象にクローズアップするのではなくて「引き」で着眼することです。

 

「デニムがブーム」という表層を視るのではなくて、デニムがなぜ復活したのか、なぜ主婦たちは写真投稿しているのか、なぜ「はけなくなったら再利用」なのか。その行動の裏にあって主婦たちを動かすもの、心理は何なのでしょうか。ブームの横で何が起きているのか、何が生まれて、何が消えてゆくのか。今がどこへ向かおうとしているのか、その中で自社がするべきことは何か、自社商品の役割は何かを俯瞰することです。今まで人任せにしていた検証ではなくて、社長ご自身がそれらの「情報」をどう受けとめたか。社長ご自身がドローンのごとく、全体性を俯瞰できる「ロングショット着眼」をもつことができてるかどうか。この着眼が、社運の明暗を分けてゆくのです。

 

さて、紅白歌合戦の話に戻しましょう。公式サイトを頼りに第1回目から振り返ってみましょう。そこで気づくことは、景気不景気を問わずどの時代にも必ずヒットがあり「売れっ子」が存在していることです。経済動向などの外的環境の変化を自社商品不振の言い訳にすることはできません。

 

ブームやヒットとは「仕掛け」てゆくものです。たまたまヒットした、たまたま売れっ子になった、の空気感を作りだしてゆくことでもあります。すべては「ムード」であり「雰囲気」なのです。

 

謹んで新年のお慶びを申し上げます。2018年から2020年に向かって、日本と世界のマーケットが顕在的に動き出しています。有機的に変化の連鎖が起こり、川下であるわたくしたち生活者の考え方も暮らし方も、今現在も刻々と変化し動いています。世が進んでいる中、ビジネスが「去年と同じ」「例年通り」は衰退を意味します。商品リニューアル戦略で、3年後5年後、そして次の10年へ、一手さらに一手と布石を打ってゆくことです。

ブームの渦に巻かれる会社から、仕掛ける会社へ。次は御社の番です!