商品サービスの「終焉」から描く商品リニューアル発想法 「社長直轄! 商品リニューアルの着眼点」 第75話

この三連休、寝込んでおりました。原因は冷房の効いた部屋で打合せをしている間に油断いたし、喉を痛めました。結果、急性扁桃炎で発熱、猛烈な倦怠感に悩まされることに。(今は快復しております)

 

仕事には障りなく、まとめて取れた休息時間となりました。が、子供は部活動で毎日学校があり、家事は山積み状態です。体調不良と猛暑で、買い物にも出られません。結果、いつも以上に、スマートフォン端末からアマゾンやヨドバシ・ドット・コムなどを活用し、生活必需品を調達。幸運なことにコンビニエンスストアも近隣にあり、必需品は速やかに入手できました。

 

普段元気なわたくしも、寝込んでしまった三日間の購買活動はスマートフォンによるネット通販、そしてコンビニエンスストアがメイン。体調が良くないので、スマートフォンをそれ以外の時間に使うことはほとんどありませんでした。

 

時々ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)をチェックはしつつ、体調の良くない自分とはまったく関係のない情報ばかりに辟易。体調が良くないので、“暇をつぶす”気にもならず、“友人知人とコミュニケーション”する気力もありませんでした。

 

また、イマドキでは珍しく、朝刊夕刊と新聞各紙を取っておりますが、チラシが入ってきても体調が良くないのであまり興味が湧きません。

 

わたくしが書いた「体調が良くない」を「子供が小さい」とか「眼がショボショボする」とか「膝が痛い」に置き換えれば、日本のマーケットにおいて、高齢者や共働き世帯がこれからますます増えてゆく傾向の中で「買い物はネットで済ます」「わが家がわたしのお城」になることはリアルな実感として迫ってきます。

 

一方、スマートフォン端末を「邪魔」に感じることや、新聞のチラシにも興味が湧かない等々、一人の消費者としても「時と場合によりメディアとの接点は刻々と変わる」ということを思い知りました。便利なツールをありがたがって使う反面、面倒臭くなる。オールドメディアに興味が向くかといえば、そういうわけでもない。

 

改めて、今わたくしたちが設計しているプロモーションプロセスは「自由で元気で意欲的な人」前提に設計されている、教科書的なものだということ。そして、おそらく経営者ご自身がパワフルで活力に満ちておられればおられるほど「自由で元気で意欲的な人」に当てはまり、生々しい買い物のリアルとは乖離しているのではないか。活力があるがゆえに「昨日と違う今日が来る」と実感される機会がなく、商品戦略を先送りされるケースが多いのではないか。いかがでしょうか。

 

一方、大手企業は商品戦略の仕組みが構築できているので、課題発見が迅速です。資本力もあり最先端で高精度なビッグデータが活用できます。それに伴って、顧客獲得のためのありとあらゆる導線設計も軽やかにできます。そして、国内マーケットから海外マーケットへの販路を拡大し、ますます強くなってゆきます。ロボットだ、AI活用といったテクノロジーもすべて味方につける方向へと邁進していきます。

 

ますます格差となっていく現状にあって、わたくしども個人企業や中小企業において叫ばれるコンテンツは、一般的には、“集客できる”、儲かる”「〇〇〇の書き方」や「〇〇〇チラシの作り方」といった、ディテールの取り組みではないでしょうか。

 

経営の柱となる商品サービス戦略において、こうした細部のコンテンツをしっかりと仕組んでゆくことが大切な時期が確かにあります。が、それは商品サービス戦略という「仕組み」の一部分のテクニックで、根幹となる「考え方」が間違っていたら、アウトプットされるディテールも間違います。

 

では「考え方」とは何か。それは、お客様から商品サービスを「どう見ていただきたいか」ということです。コツは、御社の商品サービスの「終わりを描く」ことです。

 

一緒に、想像してみてください。

 

社運をかけた商品やサービスがあります。

その商品が何らかの理由で売上が落ちている。

それを打破するために、

商品リニューアルを実践する。

手詰まりだった商品サービスが復活!

3年、5年…と時代の流れに合わせて

商品リニューアルを繰り返しながら

数十年稼いでくれる。

やがて、

商品としての使命を果たし終了する時が…

この時、永年のファン、新規のファン、社員や家族、マスコミ、世界のお客様に「何と言われたいか」。数十年後の未来のネットワークにおいて「何とつぶやかれたいか」。

 

想像の翼を広げて、商品が使命を果たした出口のステージから考えることが必要不可欠です。これは商品サービスに限ったことではなくて、御社の終わりを描く、社長の終わりを描く、ということに応用することができます。こうしたことを考えに考えた結果、根幹が生まれます。そして、「〇〇〇の書き方」や「〇〇〇チラシの作り方」的なディテール対応をしてゆけば良いのです。

 

考えること。組織が「考える体質」にリニューアルすること。ここには努力とトレーニングが必要となります。果たして、社内に「想像の翼」を創り上げることができます。高く飛ぶためのしなやかでタフな翼を作り上げること。借り物ではないオリジナルの翼で羽ばたくこと。「独自で発想し、仕掛ける会社」となって、生き生きと羽ばたくことです。これは、どんな会社であっても自立した「企画する会社」になる、という方向性です。

 

モノが無かった時代、みんなと同じが良かった時代、情報の入手が人と紙媒体だけだった時代、働き盛りの大人と若い人で活気のあった時代、気候変動が安定していた時代、マーケットが日本だけだった時代、男と女の役割がはっきりしていた時代、、、色々な時代がありました。成功事例も生まれました。

 

そして、時代は移り変わっています。価値観が変わって、人の心が変容しています。今は何もかも手探りの状態、ともいえますし、100年、1000年、10000年という流れで考えればサイクルの一つかもしれません。このような時代にあって「〇〇すればこうなる」的なディテール論は視野狭窄につながり、とてももったいないことです。また過去モデルのコピーは、歴史の1頁として突き放す心の余裕が必要です。

 

一方、では何でもアリか、といえば、ビジネスには原則があります。暑くなれば喉が乾くし、W杯が勝てば歓喜する、〇〇が優勝すれば景気が良くなる、といった街角景気やジンクスなど、案外変わらないものです。つまるところ、ビジネスを成す「人の心」の大原則です。

 

そして、この人間の定義さえも、ジェンダーフリーの時代です。刻々と価値観が変化しています。またライフサイクルにおいても、「人生100年時代」そう市場は浮かれていますが、実際に戸惑っている世代が多いというデータもあります。高齢者を抱える生活者の実感としてもリアルです。ライフサイクル、ライフスタイルの価値観は個別化し、百“価”繚乱、マーケティングで得意とするペルソナにおける考え方も、軌道修正が問われています。

 

このような変転の中で、わたくしたちにとって、武器になるのは「想像力」です。昨日とはまるでちがう今日の変化に対して、柔らかく対応してゆくためには付け焼き刃のノウハウではなくて、いきいきとした想像力の翼を創り上げることが肝要です。発想力と企画力を磨くことが求められています。本物の、想像力の羽ばたきこそが御社にとっての生命線です

 

自社商品の“終わり”を描くことができますでしょうか?

終わりのステージから「はじまり」を描くことができますでしょうか?

リニューアルし復活した商品が立派に使命を果たしたその時、社長はお客様に何と言われたいでしょうか?