伸びる企業にみる“商品戦略コンサルタント”の使い方 「社長直轄! 商品リニューアルの着眼点」 第83話

昨夜、わたくしのスマートフォンにメッセージが届きました。以前から弊社のコンサルティングにご興味を持たれている経営者の方からです。メッセージには「いまNHKを観ています。古崎先生のような人が“プロフェッショナル”に出ていて…」ということで、さっそく拝見いたしました。

 

この“プロフェッショナル”とは、NHKの人気ドキュメンタリー番組です。正式名称は 『プロフェッショナル 仕事の流儀』です。公式サイトによれば仕事の流儀には、その人の生き方が現れる。“プロフェッショナル 仕事の流儀”は、さまざまな分野の第一線で活躍中の一流のプロの“仕事”を徹底的に掘り下げるドキュメンタリー番組」とかで、毎週月曜日の夜にNHK総合にて放映されています。

 

そして、昨夜の主役は今をときめく「ブランドプロデューサー」です。10年以上前からの大活躍でベテラン。わたくしの前職・洋菓子メーカーでも多少関わりがあったとかで、今でもお世話になっている元上司の話によれば本店リニューアルの際には名前が挙がっていたとか。名だたる有名企業のブランドづくりに携わっておられます。番組は見応えのあるドキュメンタリーでした。次々と手がけ成功へと導くそのブランドプロデューサーの手腕と活躍は輝きを放っていました。

 

そして、確かに、一般的には「商品開発とリニューアル」「コンセプトメイキング」「ブランドプロデュース」等々、確かにわたくしの商品リニューアルコンサルティングに類似して見える仕事なのかもしれません。しかし、このブランドプロテューサーの仕事と、わたくしのコンサルティング実務のスタンスには、重なるところがありません。むしろ真逆。ドキュメンタリーを拝見しながらそう強く確信いたしました。

 

ブランドプロテューサーご自身の著書でも明言されていますが、ご自分のことを「コンセプトを作る人」と定義しています。この意味を示すところは、ドキュメンタリー映像にも映し出されていました。このかたは10名ほどのスタッフを抱えて仕事をしています。事務所では企画書の制作からパッケージやグラフィックデザイン、ネーミング、コピーライティングなどすべて内製できるよう専門スタッフとシステムを整えています。ブランドづくりの「クリエーター集団」であり、企業はコンセプトメイキングからツールまで一貫して「丸投げ」をして「ブランドづくり」を依頼しているのです。「ブランドを作る」の主語は、企業ではなくて、ブランドプロデューサーとそのスタッフたちなのです。「作ってあげる」というスタンスです。

 

こういう仕事の仕方は、大手企業になればなるほどよくあることです。前職の洋菓子メーカーでも同じ事例を経験しています。自社に企画デザイン室を持っているにも関わらず、ブランドリニューアルの時には外部のプロデューサーやコンサルタントに依頼をかけて決めてゆくのです。そして、社内のクリエイティブチームはその案に従って動いてゆくわけです。

 

そのような仕事に「検討」の余地はなく「会社が決めたことだから」という空気で満ちています。やがて「思考を停止」して、上からの指示に従ってゆくことなります。社内には、宣伝広告から販促、広報までの仕組みがありますので、一時は話題性と注目度向上で「売上増」となります。しかし、数年経てば、売上が横ばい、右肩下がりとなり、再び外部から連れてきた新しい先生にお願いすることになります。こうしたことは、体力のある企業だからトライアルできることです。つまり、体力があるうちは挑戦できるが、では体力がなくなった時どうか、ということです。

 

ヒットメーカーに依頼する、丸投げしてコンセプトを作ってもらうというようなことは、いわば「外科的な手術」であって、抜本的な「体質改善」にはならないのです。人の健康で考えれば、「高血圧」「肥満」「不定愁訴」などを改善するために、投薬したり手術を受けて一瞬良くなったとしても、失調の大元である、健康に対するその人自身の「考え方」や「生活習慣」を改善しない限り、また違う部所で再発するようなものです。

 

 

わたくしの使命は、こうしたクリエーターに「ダメ出し」できる人が、御社の中に育つようお導きすることです。「社内でやるべきか、こうしたクリエーターを依頼するか」をある判断基準から決めることができる。さらに「誰がいいか」「どこの会社がいいか」を選定し交渉することができる。打ち合わせでは「自社の考え方をしっかりと伝える」ことができ、クリエーターと共により高次元なレベルに事業のステージを上げることができる。ブランドプロデューサーに「作品」を作ってもらうのではなく、企業が主体となって「商品戦略」を作り実践することができるようお導きいたします。

 

「トップクリエーターに丸投げした方が時短なのではないか」という反論もあるかと思います。もしも自社にパワーがあるならば、こうした「全部丸投げする」を繰り返しながらリニューアルしていく、という手もあります。しかし、そういうことを繰り返すことのリスクは覚悟しなければなりません。外部に任せてしまうことで「思考停止」になる、うまくいかない時には「外部のせいにして責任逃れをする」など、組織として雰囲気が悪くなってゆくことが必至です。

 

わたくしは「自分の会社は自分たちでよくする仕組みづくり」のお手伝いをしています。自社の不具合に気づき、自分たちで考え、自分たちで不調を解決できるやり方をお教えしています。それによって、時代がどんなに変化しても事業を動かして行ける。そんな揺るぎない自信が生まれるはずです。

 

御社が目指すべきステージは

・商品サービスのコンセプトやストーリーをイメージしたり、言葉にできるようになる

・商品サービスの欠陥に気づき、社内でプロジェクトチームが生まれ、仕組みが回る

・プロジェクトチームでは、協力会社を探し出すことができ、的確な指示が出せる

・時代の変化や天変地異に強い仕組みが回り、主体的なチャレンジ体質になっている

・結果の出せるチームが出来上がっている

 

 

資金が尽きない限り、第三者や外部の会社、クリエーターに「丸投げ」することができます。しかし、体力がなくなった時、だれが助けてくれるのでしょうか。いつの時代も一寸先は闇です。「自社で考えて、仕組みを回し、自分たちで次のステージに行って再生する集団」になることが要請されています。いついかなる時も、主語は「自社」です。輝くのはクリエーターやコンサルタントではなくて、自社が主役となって燦然と輝かなくてはなりません

企業は、いちクリエーターの「作品」ではありません。本気で仕組みを作るとき、すべての事象に対する姿勢が変わってきます。もっと豊かに、もっと力強く、理想高く、天をかける勢いで事業ステージをあげることができると確信しています。